(その3)数学科卒が理系社会で上手く楽しくやっていくには
前々回の記事(数学科卒が理系社会で上手く楽しくやっていくには - 数学科卒のものぐさナナコのブログ)と
前回の記事((その2)数学科卒が理系社会で上手く楽しくやっていくには - 数学科卒のものぐさナナコのブログ)
のパート3です。
・前々回(その1)は、
「多くの人は数学は重要だと感じているが、実際何を生かせるのか、当の本人たちもわかっていないことが多いのではないか」というお話。
・前回(その2)は
「私(筆者)が経験した、工学系分野において数学が生かせた(と思った)例」の紹介でした。
そこで今回は、前回お知らせしたように「数学科からきて工学系で苦しんだこと」をお話します!
繰り返しになりますが、あくまで、私の体験から来るものなので、一例として参考程度にお聞きください。さらに私の場合は、学生時代は数学→社会人になって工学系となりましたので、その状況に限ったお話になってしまうかと思います。ご了承ください。
(いつかぜひ、他の人の例も聞いてみたい…!)
そして 次回(その4)は、「数学科の人が工学系に来て上手く楽しくやっていくために、やっておくべきこと(具体例)」にしようかと検討中です♪♪
話を戻して、今回は大きく以下2つの内容をお話します。
(1)工学系に来るまでの足場固め
(2)工学系に来てから手間がかかると感じたこと
(1)工学系に来るための一歩
まず今回の内容として「工学系にきて~」と書いてしまったのですが、実際まず大変なのは「工学系にくる」までです。ここでは、就職活動のことを考えます。
数学の中でも応用系のことをやっている方は問題ないかもしれないのですが、特にそうでない純粋数学寄りの人は、まず「自分が何をできるのか」を客観的に見て、工学的な観点から足りない部分を、自助努力で身につける必要があります。
が、それができるようになるには、多くのステップが必要で、そのステップごとに困難が生じます。例えば…
① 工学系の中で自分が何がやりたいかわからない
② ①が見つかっても、やりたいことに対して、どのような知識技術が必要とされるのかがわからない
③ ②が判明しても、自分がその知識技術を持っていない(もしくは、十分に持っているのかの判断がつかない)
④ ③を身に着けたとしても、それを上手くアピールする方法がわからない。
といった問題が起こるかもしれません。すでに工学系で数年間学んできた人ですら、就職活動の場では①④などに面食らうことがあるでしょうから、誰かの指導のもとできちんと学んだ経験がない人は、もっと面食らうかもしれません。
①はもう無理矢理にでも見つけるしかないです。というか、①がないのであれば、工学系を目指す必要もないでしょう。
とにかく数見て比較していくうちに、「自分はこういうのをやりたい」(もしくは「やりたくない」でも。)という思いがふっとわくようになるでしょう。
②③は、できるだけ、その道の人に協力を仰ぐのが良いでしょう。いくら調べたところで、得られた情報がスタンダードなものなのかわかりませんし、確実な道を選ぶのが良いかと思います。協力者はできるだけ増やしておきましょう。③の自己学習については、とにかくコツコツ進めるべきです。今はオンラインでも多くの有名大学の講義を無料で受けられたりします。とにかく何かしら「◯◯を終わらせた」と言えるものを最後までやってみましょう。本1冊読み切るでも構いません。第一弾としては、そこそこ達成しやすく、そこそこ世間でも取り組んでいる人が多く、自分にも他人にも明確なゴールがあるものがおススメです。
④ も就職活動共通の問題かもしれません。特に工学系での経験がない人にとっては、自分の知識技術に心から自信を持つのは難しいでしょうから、何かしら客観的に自分の実力を確認できるような資格試験を受けてみたり、もうすでに勉強を始めて長いのであれば○○チャレンジみたいなものに応募してみても良いかもしれません。
とにかく外部とつながりましょう!
(2)手のかかる作業が多い
一般的に?、数学は多くの分野の人に「面倒くさい」「ややこしい」「忍耐力が付きそう」等と思われていることでしょう。
しかし私は思うのです。数学ほど手軽に始められるものはないと。
まずですね、数学の場合は、出てくる単語の定義を確認してさえいれば、もうあとは持ち物なしで乗り切れます(理論的には可能…)
そして、論理的に正しいか正しくないかの判断は、経験値がなくてもできます。一度論理的に構築された理論であれば、ある程度固い足場として使うことができます。外乱や誤差というものがほとんどない世界なので、上手くいかない時は、論理的におかしいか、理論的におかしいかのどちらかであることがほとんど。シンプルに考えることかできるでしょう。
一方、そもそもプログラミングを書くためには開発環境の構築が必要です。
すでに用意されたパッケージをインストールするとしても、PCのOSやバージョン、他ソフトとの兼ね合いなど、気をつけるべきことは意外と多いです。
まずプログラミングを体験してみると良いです。昔ながらの勉強方法として電卓を作ってみるでも良し、github上からディープラーニングのコードを引っ張ってきて回してみるでも良し。とりあえずプログラミングに触れてみましょう。
私は就職活動の時まで全くやってこなかったので、「数学専攻ならぜひ技術部門に!」と人事の方には言われるのですが、実際技術系の入社試験を受けようとすると、情報系とか、機械系とか選ばなくてはいけません。
数学なので恐らく情報系になるんでしょうけど、実際私が溶けたのは「2進数への変換」みたいな問題だけ。
プログラミングの問題が出てきた時は、当時は、穴埋めであればとりあえず"+="と書けと言われていたので、ひたすら書いていました。
ただし、SPIでしたっけ??ええと、あの、順番に図形が並んでいて、「この次の図形はどれか」みたいな問題ありますよね。IQテストみたいな問題。あれは恐らく数学が得意な人はめちゃくちゃ得意なんじゃないかと思いますね。
私もあれだけはバリバリに解けて、就職活動で唯一、全く苦労しなかった点でした。
とにかく、工学系だと、実際に手を動かして結果が出るというのが第一です。
理論だけでは良し悪しがわかりにくいのも、難しくも面白いところ。
特に数学をずっとやってきた皆様には、習うより慣れろということで、ぜひ、色々手を動かしてみることをお勧めします!
それでは、また。
(その2)数学科卒が理系社会で上手く楽しくやっていくには
前回の記事(数学科卒が理系社会で上手く楽しくやっていくには - 数学科卒のものぐさナナコのブログ)のパート2です。
前回は、
「多くの人は数学は重要だと感じているが、実際何を生かせるのか、当の本人たちもわかっていないことが多いのではないか」
というお話でした。今回は、
「私(筆者)が経験した、工学系分野において数学が生かせた(と思った)例」を紹介します。
次回は「数学科からきて工学系で苦しんだこと」にしようかな…。
実際、数学をやっている人に「それは社会では何の役に立つの?」と聞いてしまい(もちろん質問者に悪意があるのではなく話の切り口にしようとしてくれただけ)、きちんとした答えが返ってこずにお互い変な空気になってしまった…なんてこともあるのではないでしょうか。
興味を持ってもらえたとのことなので、大変ありがたいと思うんですが、なかなか直接的に役立つという例は、工学系に比べれば格段に少ないのではないかと思います。
そこで今回は、やっぱり完全に具体的には言えないのですが、少しでも役に立った例をお伝えすることで、今現在数学をやっている皆さんへのエールとしたいと思います。
※ちなみに、毎回のように申し上げていますが、あくまで私の完全な主観なのでご了承ください。
私が工学系にきてから「数学科で学んでいたことが役立った」と感じたことを書いてみたいと思います。大きく以下の3つです。
(1)数学の知識
(2)数学的思考力・忍耐力
(3)話題作り
上から順にいきますね。
(1)数学の知識
これは言わずもがなですね。
例えばアルゴリズム的にすごく複雑な微分計算が必要になったとか、行列の演算を工夫しないといけないとか、そういう時に数学が得意だというのは非常に強いです。
数学自体に抵抗がないということ、またたとえ計算方法そのものを知らなくても、似た分野の計算方法を思い出したり、どの分野の文献を探せばよいのかをぼんやりとでも想像できたりするというのは、けっこうな強みだと思います。
そもそも他の分野ではそうないでしょうが、数学(というか数式?)にはいまだに「検索できない」「検索しにくい」という問題がついて回ります。
というのは論文中の数式などは依然としてテキストデータではなく図形データとして埋め込まれていたりしますから、検索時には自分で書き下す必要があります。そもそも初めて見る演算記号に対しては、何とかしてその読み方を見つけなければなりません。
さらに、その論文が英語で書かれていた場合、もちろん近年の翻訳技術はものすごい勢いで進歩し続けていますが、数式や変数を含むとその精度はガクッと落ちます。結局、自分で書き下さなければなりません。
結局、こうしたちょっとした面倒くさい壁があると、もちろん時間をかければ解決はできるんですが、よっぽど有用な技術であると確信できない限り「なんか数学的に難しい論文」という意識がついてしまいがちです。
そんな時に周りに数学をやっていた人が1人でもいれば、きっと「ちょっとこれ読んでみて」と頼みたくなることでしょう。
私は数学科卒が珍しい環境にいたので、こういったちょっとした依頼をもらうことが多く、そのたびに数学の活用先を知ることができ、とても楽しみにしていました。
もちろん知らない演算などもありましたが、けっこう、「どうやって調べれば良いか」の想像はついたりするんですよね。
(2)数学的思考力・忍耐力
これはどう名付けて良いのかわからなかったので、なんだかよく聞くような言葉を借りてきてしまいましたが、考え方についてです。
よく「問題は小さくしろ」とか言われますが、数学や、特に証明が好きな人はこれは得意なのではないかと思います。
問題が起きた時に、問題が起きるまでのプロセスを分解して、どこには問題がなくて、どこには問題があるのか、一つ一つ検証して記録していく作業は、数学の(算数の?)検算作業に非常に似ています。
どこまでが足場が固められた理論で、どこまでがまだ固められていないのか集中して考える力や、またその気力や忍耐力は、けっこう、強い人が多いんじゃないかと思います。
また、「ちゃんと背景を確認して、物事が成り立つ理由がわからないと気持ち悪い」という感覚は、自然と、慎重に調査や推論を進める注意深さにもつながっているようにも感じます。「いつ誰が見返しても理解・納得できるような書き方」が数学では求められていますが、そのような書き方の癖は、工学系の論文を書く時のみならず、小さな報告書1つ1つにも生かされることでしょう。
(3)話題作り
これは実はかなり美味しかったです。
おそらくこれを読んでいる皆さんは、周りに数学科卒の人が少ないでしょうから、数学好きとして1個キャラを確立することができるのではないかと思います。
この際、思い切り生かしてしまいましょう。
とにかく「好きな数字」とか「好きな定理」とか「好きな数学者」とか、聞いてもらえたら、ラッキー!と思って答えられるようにしておきましょう。
本当に数学に興味があって聞いてくれる人には本当に熱く語れるものを、
そして、ネタとして聞いてくれる人には、それなりに受けそうなネタを用意しておきましょう。
もちろん、このような会話になる前にある程度良い人間関係を築いておきましょう。
これがないと、ただの数学好きな、不気味でとっつきにくい人になってしまいます。
2019/09/17追加 :
かなり時期が空いてしまいましたが…その3を公開しました♪
良かったら読んでください。
(その3)数学科卒が理系社会で上手く楽しくやっていくには - 数学科卒のものぐさナナコのブログ
JDLA G検定 合格者の会に参加します
昨年合格した、日本ディープラーニング協会のG検定の「合格者の会」なるものが都内で7/4(水)に開催されることになっています。
私も数週間前にこちらに申し込んでおりまして、参加多数の場合は抽選とも言われていましたが、無事参加できることになりました。
合格者どうしの交流を目的にしているようですが…何人くらい参加するんでしょうか。
対象はJDLA Deep Learning for GENERAL 2017、および2018#1合格者とのこと。
(詳細はこちら。
http://www.jdla.org/news/detail/20180427001/)
何はともあれ初めてのイベントなので楽しみです。
それはそうと、6/16(土)には第2回G検定が行われたようですね。
実はこのブログへのアクセスが6/15(金)〜6/16(土)になって、一気に伸びておりました(笑)
皆さんラストスパート頑張る派が多いんでしょうかね。
試験受けた方は、お疲れ様でした!
数学科卒が理系社会で上手く楽しくやっていくには
新年度が始まりしばらく経ちましたが、新社会人の皆様はいかがお過ごしでしょうか。
"Math. Math. Oh and perhaps some more math."
「数学。とにかく数学。あとは、やっぱり数学だろう」
さらに読んでいくと、とにかく線形代数と確率統計は早い段階で学んでおけということらしいです。
こういった言葉を聞くと、ちょっと数学科卒でも(数学者の道以外で)生きていけるんじゃないかという勇気がわいてきますね。
バーニーおじさん(日本ディープラーニング協会 G検定を受けてみた)
先週12月16日(土)に、日本ディープラーニング協会が実施する「G検定(ジェネラリスト検定)」という試験を受けてみました♪♪
お金はかかりましたがかなり勉強になりました!
以下は協会公式サイト(http://www.jdla.org/)の情報をもとに書いています。
1.日本ディープラーニング協会とは?
2017年10月に発足したばかりの、日本ディープラーニング協会(JDLA)。
ディープラーニング活用の機会を増やし、日本の競争力を高めるのが目的とのこと。
5本の柱のうち1つに「人材育成」が掲げられ、
その取り組みの一部として検定試験が行われています。
2.G検定とは?
「ディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかを検定する」
ための試験とのことで、今回は以下のような感じでした♪
- 試験時間…2時間(オンライン)
- 試験内容…ディープラーニングの基礎知識や関連する社会情勢
- 試験形式…選択式問題、100問(1問につき複数の回答が求められるものもあり実際に解いたのは233問)
- 受験料…12,960円(税込)
受験料、結構しましたね(T_T)泣
やっぱりディープラーニング系はどうしても高くなるのでしょうか。
推薦図書がこちら。
(1)AI白書 2017
(編)独立行政法人情報処理推進機構 AI白書編集委員会 角川アスキー総合研究所
とにかく量がすごい。A4サイズで360ページ、まさに「白書」。
A4が入るカバンがあっても、持ち歩きたくないです。重いから。
画像・音声・言語処理をはじめとする各分野での発展の現状、社会的動向など。
体系的に幅広く学ぶことができます。
全ページにぎっっっしり文章がつまっています。
単語検索したいのでPDF版がほしいですが、カンニングを助長してしまうので難しいでしょうか。
3,564円(税込)。
(2)人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの
→こちらは新著版の読み物という感じで(B6判ですが)、264ページ。
人工知能やその扱われ方、あり方について歴史をたどって書かれています。
色々なエピソードや議論の様子を知ることができ、興味深く読みました。
1,512円(税込)。
(3)機械学習
プロフェッショナルシリーズ (著)岡谷 貴之 講談社
→おそらく関係者の中では言わずと知れた「青い本」。
理論の説明が主で、数式が出てきます。
紙と鉛筆を用意して読むのが良いのでは。A5判。
3,024円(税込)。
以上、推薦図書で8,100円、受験料込みで21,060円でした。
高いとも言えますが、
今まで素人流にニュース記事や技術文書を読みつまみ、必死に体系化して飲み込もうとしていたところを、
きれいにまとめた状態で教えてもらうことができ、大変良い機会だったと思っています。
また、今まで使っていた言葉の定義をきちっと勉強することができ、
もやが晴れるような気分でもありました。
何といってもこれらが日本語でまとめられているところも大変ありがたいですね。やっぱり母国語だとスラスラ読めます。
3.感想
時間が足りなかったです(T_T)
120分で233問なのでおおよそ1問30秒!
私はディープラーニングについては以前から少しだけやったりしていたので
おおよその枠組みは理解できているかと思っていたのですが
まだまだ理解し切れていないなと感じました。
でも「よく聞くけど実はきちんと理解し切れていない言葉」「きちんと説明できない言葉」
をほんの少し理解できるようになったかなと思いました。
受験対象者に経営者も含まれていたと思いますが、
ディープラーニング研究者と誤解なく(過大・過小評価なく)
コミュニケーションを取れるような、基盤作りの一歩となると思います。
ちなみに数式はほとんど出てきませんでした。
偏微分を知らない方は勉強が大変かもしれませんが、
今回は一問だけなので、今後も同様の傾向が続くのであれば
数式には手をつけずにほかに注力しても良いかもしれませんね。
恐らくG検定はジェネラリストの検定なので、
数式含む理論や実装の部分は「E検定(エンジニア検定)」で行うんでしょうね。
こちらは2018年4月予定のようです。受けてみたいと思います。
それでは、また。
追記:
無事合格しました(12/26)。
受験者1448人、合格者823人とのこと。
合格率は56.8%ですね。E検定に向けて頑張りたいと思います。
数学科がもたれるイメージ(経験談)
今回は数学について数学専攻以外の人からどのように思われているか、
それに対する思い・・・等を、私の経験談からお話しします。
※あくまで、私の経験談であり、私の意見ですのでご注意ください。
もちろん社会に出てからも数学科出身という目で見られることは多いですが、
やはり「専攻分野」という観点で人を見る・見られるのは学生時代が一番多かったので
学生時代の話が多くなります。
私の大学は総合大学でしたので、文系理系やその他ありとあらゆる学科がそろっていました。
その中で数学科というと、
①「数学」という中学高校と慣れ親しんで(?)きた主要5科目の1つ(名称が同じ)
であるにも関わらず、
②大学で学問として扱われている
という2つのイメージがうまく融合されず、
何をやっているのかわからないというイメージを持たれることが多かったです。
他の学科の人からよく受けた質問やコメントを紹介します。
(1)自分は数学は大嫌いだった/苦手だった
これはけっこう言われました。嫌いと苦手は同意義ではないとは思うんですが、こう言われたら、数学の話はしないでおこうと心にとめておきます。まずはその人と仲良くなりたいので数学以外の話題で仲良くなります。
本当は「数学」が何を指すかにもよるんでしょうけど。
世の中のドラマや漫画を見ても、主人公が赤点をとる教科って高確率で数学ですよね…^^;
やっぱり、社会系が壊滅的にできないと常識も人間力もなさそうに見えるけど
数学ができないくらいなら可愛げがあるように見えるのでしょうか。(わからなくもない)
(2)どのような勉強をしているのか?
「毎日ものすごい計算をしているのか?」「図形や数式を見て『美しい…』とつぶやいているのか?」等の質問を受けることも多くありました。
分野によりますけど、映画に出てくる数学者のように「何かに取り憑かれたかのように数式を書き殴る」人は滅多にいません。
数式に美しさを感じる人はいますが、わざわざ人前で「美しい…」とか呟く人は現実にはなかなかいないと思われます。もしいたとしたら、よっぽど貴方に心を許しているということでしょう。
(3)好きな数字は?
これもよくありました。こうやって数学の話を振ってきてくれるのは非常にうれしいです。
しかし、数学科として意識の低い私には「好きな数」なるものはありませんでした。(好きな定理はあったんですけどね)
せっかく数学の話題を振ってくれたのに答えられないのは申し訳ないので、一時期はそれっぽい素数を調べてきて、それを答えていました^^;
ちなみに今は2です。
(4)(飲み会で)計算お願い!
計算は苦手な人が多いです。普段は数字より文字の方が扱う時間が長かったりしますしね。携帯の電卓が一番良いのではないでしょうか。
しかし、(酔ってても)注意深く計算する力はあるのかもしれません。
(5)4次元について教えて!
これは、物理学科(偏見あるかも…違ったら教えてください)に聞いた方が良いのではないでしょうか。
数学科でも4次元を扱うことはありますが、多くの場合、一般的な「n次元」のうちのn=4の場合という扱われ方です。
私としては正直、4次元のものを扱うとしても、4次元目が時間軸である必要性を感じません。
ちなみに、数学について質問を受けて
何かしら話すことになった場合、こう尋ねるようにしています。
「数学は好き?嫌い?得意?苦手?」
たいてい回答は3つに分かれます。
(1)けっこう得意!!
数学が好きで得意な人は、このように堂々と答えることが多いです。
こういう人は、わからなくなった時はその瞬間に
「何がわからないのか」を把握できる人が多く、すぐに質問がきます。
数学的な言い回しの方が伝わりやすいので、数学科の人に話すつもりで、とにかく矛盾や条件漏れがないように気を付けながらお話しします。
(2)得意じゃないけど好きだよ!or苦手だけど興味はある!
数学は好きな人には、なぜその数式を使うのかとか、そういうのを簡単に伝えるようにしています。
あとは、「〇〇の分野でも使われているみたい」とかの実例や小話ですね。
今までの経験上、何か1つでも心から「わかった」と思えるような
数学的な小話や工夫箇所を伝えると、覚えてもらいやすいのかなという気がしています。
(3)苦手かな…
これは「嫌い」とほぼ同じ意味と捉えてます。
さすがに数学をやっている人を目の前にして「嫌い」とは言えず、気を遣ってくれたのでしょう。
この場合、できるだけ手短に説明することにします。「複雑だから説明は省くけど、〇〇の定理というのを使えば、簡単に計算ができる」というふうに。
でも、複雑さの度合いでいえば、他の学科(数学を活用する分野)の方が複雑だったと思います。
例えば工学系の微分方程式とか、すごい複雑でしたね。
「数学科の方がもっとすごいことやってるでしょ?これ解いてくれない?」
とかよく言われましたが、数学科の方は大抵、解きやすく作られていますから…
以上、他から見た数学科イメージ(体験談)をお伝えしました。
偉そうに書いてしまいましたが、なんだかんだ数学は応用分野が広いので、色んな分野の人に、良くも悪くも興味を持ってもらえて嬉しかったですね。
それでは、また。